調剤ミスや調剤事故は、患者さんに重大な健康被害を及ぼす場合があるので、万が一にもあってはならないことです。 「散剤監査システム」はヒューマンエラーをチェックすることにより、そういった調剤ミスや調剤事故のリスクを大いに軽減できる可能性があり、薬剤師にとって より安心して調剤,勤務することができる非常に心強いツールのひとつだと考えております!
★散薬の調剤は錠剤や外用などの調剤に比べて、一旦調剤をして混合・分包調剤をした後では、その内容の正否を監査・チェックすることは困難です・・・ 通 常は、調剤した薬剤師が秤量した計算メモを残して、それを監査する薬剤師は総重量を秤量することでチェックを行います。その場合、薬品量の間違いは発見で きる可能性がありますが、薬品ビン自体の取り違いによる薬品ミスを発見することは難しいことがあります。そういった点で、秤量の記録を残して「散剤監査シ ステム」を利用することの意義があると考えられます。
★太陽薬局筑紫丘店では、小児科の処方せんが多く散剤を混合調剤する場合が多いため、この度「散剤監査システム」を導入しました。
また太陽薬局では、レセコンとSIPS連動した在庫管理システムを全店にて行っていますが、そのSIPS連動を活用して 下記のように 『 レセコン ⇒ 散剤監査システムにて秤量,調剤 ⇒ 散剤円盤分包機にて調剤 』という流れで正確かつ迅速な散剤の調剤を行うことができます。
★以下に、「散剤監査システム」の流れを紹介します
①レセコン(上位システム): 処方せん受取り後、処方入力(二次元バーコードにて)すると、「散剤監査システム」に処方データが送信されます
②散剤監査システム:受信した処方データがパネルに一覧表示されるので、該当薬剤をタッチパネルにて選択して、該当薬品ビンに付いているバーコードをバーコードリーダーにて読み込ませます
③”ピッ”と鳴った後に(間違った場合は”ブー”と鳴る・・・)、連動している「電子天秤」にて該当薬剤を秤量します
④秤量値・インジケーター部:許容容量(±10%以内)の場合は青く,超えている場合は赤い帯が・・・
⑤同一剤で混合調剤する薬剤がある場合は、②~④を繰り返して順に選択して秤量します
⑥全ての薬剤(混合調剤する同一剤薬)を秤量完了後に、パネルにて確定させると、「チェックシート」が印字され、散剤円盤分包機に処方データが送信されます
⑦散剤円盤分包機:受信した処方データがパネルに一覧表示されるので、該当薬剤をタッチパネルにて選択します
⑧混合する散剤が複数ある場合は、該当薬剤を順に二段,三段と・・・投入口に投入します(または予め乳鉢などで混合調剤しておく)
⑨投入後、円盤分包機にて自動的に分包調剤され、分包紙に患者名,薬剤名,用法などが印字されて出力されます
⑩監査時に、出力した「チェックシート」と処方せんを突合せチェックすることができ、かつ薬歴簿に貼付保存することができるので、次回の調剤や服薬指導時に活用することができます
★ 「散剤監査システム」は、今まで視覚だけに頼っていた薬品名の確認をSIPS連動やバーコード読み取りなど活用することで、ダブルチェックで薬品の取り違えを防止します。
散剤の調剤では、倍散の規格・主薬量(力価)についての知識不足や思い込みによる調剤ミスが多く、通常の「総重量監査」において調剤ミスが調剤過誤に直結してしまうのは、交付時の監査が困難であることに起因することと思われます。
調剤ミスや調剤事故は、患者さんに重大な健康被害を及ぼす場合があるので、万が一にもあってはならないことです。
「散剤監査システム」はヒューマンエラーをチェックすることにより、そういった調剤ミスや調剤事故のリスクを大いに軽減できる可能性があり、薬剤師にとって非常に心強いツールのひとつだと考えており、太陽薬局では順次他店でも導入検討をしております (>_<)